最も北海道らしい空港


北海道には大中小いくつもの空港がありますが、
その中で最も北海道らしいと言われている空港をご存知でしょうか。
パッとイメージするとすればやはり新千歳空港？
それとも広大な大地を背景とした道東の空港？
意外な事にこれが旭川空港だと言われているのです。

具体的にどんなところが北海道らしいのでしょう？
大きく２つの要素があると思います。
１つは飛行機から見ることのできる旭川空港ファイナルアプローチからの眺めです。
旭川空港へのアプローチは美瑛側からのR/W３４と旭川市街側からのR/W１６の２方向ですが、
R/W３４の場合は飛行機が最終着陸態勢に入ると十勝岳連峰をすぐ右手真横に見ながら、
眼下に上富良野から美瑛にかけての美しい丘陵地帯を掠めてアプローチします。
また反対側R/W１６の場合はまず遊覧飛行さながら旭川上空を大きく一周し、
大雪山連峰を左手に眺め眼下に上川盆地いっぱいに広がる水田を見ながらアプローチします。
飛行機がどちら側のアプローチを採るかによってロケーションは大きく異なりますが、
いずれも着陸前の、雄大な大雪山・十勝岳連峰や徐々に近づいて来るパッチワークの丘、
さらにどこまでも直線で刻まれた水田の巨大マトリックスを見た時、
「ああ北海道だなあ」という思いを強く抱きます。

もう１つの要素は旭川空港に降り立ってからです。
旭川空港は空母型と呼ばれる小高くなった丘陵の上に造られた空港で非常に見通しの良い環境にあります。
ターミナルビルを出て正面に見える優雅な大雪山連峰と右手に見える十勝岳連峰の荒々しい峰々、
さらに空港の目の前には何と牧場が広がっていて牛が牧草を食んでるではありませんか。
これはまるで北海道のイメージを絵に描いたような光景です。
旭川周辺はそれほど牧場の多い地域ではありませんが、
たまたまとはいえ空港の真ん前にある牧場が実に良くマッチしています。

空港前の放牧 北海道広しと言えどターミナルビルの真ん前で牛が牧草を食んでいる空港はここくらい。

ターミナル正面 到着ロビーを出てまず目に飛び込んでくるのがこの牧歌的な風景と田村ファームの看板。

Cｌｏｖｅｒ 田村ファームの自家製アイスクリーム屋さん。夏のシーズンともなると立寄る空港利用客が絶えない。

もうひとつ本州から訪れる人によくびっくりされることがあります。
それは道路が真っ直ぐな事です。
地元の人間にとってはごく当たり前のことなので「そんなもんかねえ」と思う事ですが・・・

空港から旭川市内へ向かうルートはいくつかありますが、
いずれも田園地帯を貫く直線道路が基調になっています。
空港を出て東神楽市街と旭川市街を結ぶ平坦路などは一度も曲がる事はありません。
旭川市内に入ってもなお真っ直ぐな街路ばかりなのを見て、
初めて北海道を訪れる人々は感嘆の声を上げます。

北海道は「日本離れ」しているのです。




　
道道旭川東神楽線

空港のある東神楽から旭川市内に入るま
での７〜８キロを真っ直ぐに貫く道路。
地元の人間であれば特に何とも思わない
光景だが本州から来る人間の目にはこの
延々と真っ直ぐに延びる道路に日本離れ
したものを感じる。

旭川空港は田園地帯の丘陵地にあるため障害となるものが少なく非常に見通しが良いので
周囲３６０°色々なアングルから離着陸する航空機の撮影が可能だ。
このため地元ばかりでなく全国いろんなところから航空機ファンが撮影にやって来る。
中には数名で協力し合って撮影した作品をホームページに掲載しているグループも存在する。
できればもう少し離着陸する便数が多ければ言う事なしである。